こんにちは。ネットショップコンサルタントの「たぶ」(@yusuke_tanaka34)です。
ネットショップをオープンする前、いろいろと準備が大変ですよね!
ネットショップの準備をしている方からよく聞かれる質問がこちら。
ネットショップを立ち上げる時、いくつか書き込まないといけない文章があります。
その1つが「特定商取引法に基づく表記」です。
ネットショップを初めて立ち上げる時は「え?なにそれ?」って感じですよね。
今回のテーマは「ネットショップでの『特定商取引法に基づく表記』の書き方」。
「『特定商取引法に基づく表記』って何?」というところから、「『特定商取引法に基づく表記』の書き方」まで、解説していきます。
少し書き換えて、コピペするだけで「特定商取引法に基づく表記」を書けちゃうテンプレートもご用意していますので、ぜひ活用してくださいね!
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ネットショップに必要な「特定商取引法に基づく表記」とは
まず、ネットショップに記載することが必要な「特定商取引法に基づく表記」にある、「特定商取引法」とは何なのでしょうか?
「特定商取引法」は、消費者庁と経済産業局が管理をしており、「販売業者とお客さんの間にトラブルが起きやすい取引を『特定商取引』と定義し、悪質な勧誘や取引を規制するための法律」です。クーリング・オフなどもこの法律の一部として規定されています。
消費者庁が運営している「特定商取引法ガイド」を見ると、「特定商取引に関する法律」の目的として、
第一条 この法律は、特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入に係る取引をいう。以下同じ。)を公正にし、及び購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者等の利益を保護し、あわせて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にし、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
と記載されています。
要するに「お客さんを騙すような悪質な販売業者が出てこないように取り締まる法律」ということです。
「特定商取引法」では、商品の販売を行う事業者に対して、営業を行う前に事業者名や営利目的であることなどを、お客さんにあらかじめ開示するように義務付けられています。
「特定商取引法」の歴史
それまでも商品の販売は活発に行われていたのですが、1970年代になると、店舗での販売だけでなく、訪問販売や通信販売などいろいろな方法で商品を売る業者が出てきました。
しかし、訪問販売や通信販売という今までになかった販売方法に関して、法律が整備されていなかったこともあって、トラブルが頻繁に起きていました。
また、悪質なマルチ商法なども多かったため、1976年に「特定商取引に関する法律」の基となる「訪問販売等に関する法律」が作られました。
それまでにも何度か改正はされてきたのですが、2000年(平成12年)の改正で「訪問販売等に関する法律」が「特定商取引に関する法律」に名前が変更され、ネットショップも規制の対象になりました。
1976年にできた法律が度重なる法改正を経て、現在の「特定商取引法」になったんですね。
次は、どんな販売方法が「特定商取引」になるかを見ていきたいと思います。
「特定商取引法」の対象となる商取引
「特定商取引法」の対象となる商取引には、
- 訪問販売
- 通信販売
- 電話勧誘販売
- 連鎖販売取引
- 特定継続的役務提供
- 業務提供誘引販売取引
があります。
その中でも、ネットショップは
第二章 訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売
第一節 定義
第二条
2 この章及び第五十八条の十九において「通信販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が郵便その他の主務省令で定める方法(以下「郵便等」という。)により売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う商品若しくは特定権利の販売又は役務の提供であつて電話勧誘販売に該当しないものをいう。
に該当し、「通信販売」の1つに数えられます。
文言がかなり難しいのですが、要するに「個人でも法人でもネットショップは特定商取引に該当しますよ。」ということです。
ネットショップでの販売は、直接対面で商品を販売しているわけではないので、お客さんにとっては「ネットショップに書いてあることがすべて」ということになってしまいます。
そうすると、ネットショップに情報があまり記載されていないと、トラブルになったり、不信感を持ったりしますよね。
それを防ぐために、「特定商取引法に基づく表記」ということで、ネットショップに必要な情報を記載するように定められているのです。
次にネットショップに掲載が必要な「特定商取引法に基づく表記」にはどんな項目があるか見ていきましょう。
ネットショップに掲載が必要な「特定商取引法に基づく表記」の項目
ネットショップに掲載が必要な「特定商取引法に基づく表記」の項目は、
- 事業者の氏名(法人の場合は代表者または責任者の氏名)
- 事業者の住所
- 事業者の電話番号
- 販売価格
- 送料
- 代金の支払い時期
- 代金の支払い方法
- 商品の引渡時期
- 商品の返品期限や返品方法
- 申込みの有効期限
- 販売価格、送料以外にお客さんが払うお金について
- 商品に傷や不備などがあった場合の対応について
- 商品がソフトウェアの場合は、ソフトウェアの動作環境
- 2回以上の継続取引の場合、その旨と販売条件
- 商品の販売数量の制限や特別な販売条件
- お客さんの請求により有料のカタログ等を送付する場合の金額
- メールマガジン等を送付する場合、電子メールアドレス
と全部で17項目があります。
けっこう記載する項目が多いですよね…
でも、お客さんに安心して商品を買ってもらうためには、やっぱりこれくらいの情報は最低限ネットショップに記載しておかないといけないですよね。
他にも必須ではありませんが、「配送方法」なども記載しておくと、親切だと思います。
また、ネットショップでは、お客さんが最終的に申し込む画面でも、商品の返品期限や返品方法について記載することを定めています。
(注文確認画面に商品の返品期限や返品方法について記載しているネットショップや、リンクをはっているネットショップが多いですよね。)
ただ、場合によっては、上記の項目の中で一部省略することもできるんです。
それでは、「特定商取引法に基づく表記」の中で一部省略できる項目を見ていきましょう。
「特定商取引法に基づく表記」の中で省略することができる項目
上記の項目の中でも、お客さんから「特定商取引法に基づく表記を書面でください。」と言われた時に、すぐに書面またはメールで送る旨をネットショップに記載し、実際にお客さんから連絡があった場合にすぐに送れるネットショップは、「特定商取引法に基づく表記」の一部を省略することができます。
ただし、ネットオークションは申し込みの有効期限が短く、お客さんが余裕を持って店舗側とやりとりをする時間がないため、除外されるようです。
ネットショップに記載する「特定商取引法に基づく表記」の一部を省略するために、「販売価格、送料、それ以外にお客さんが払うお金について」をすべて記載しているかどうかで、省略できるかできないかが変わってきます。
「特定商取引法に基づく表記」の一部を省略できるかどうかは、下記の表をご覧ください。
項目 | 販売価格、送料、それ以外にお客さんが払うお金について | ||
---|---|---|---|
すべて記載した時 | すべて記載しない時 | ||
事業者の氏名、住所、電話番号 | 省略できる | 省略できる | 代金の支払い時期 | 前払いの場合 | 省略できない | 省略できる |
後払いの場合 | 省略できる | 省略できる | |
代金の支払い時期 | 省略できる | 省略できる | |
商品の引渡時期 | 1週間程度で引渡しできる場合 | 省略できる | 省略できる |
1週間以上かかる場合 | 省略できない | 省略できる | |
商品の返品期限や返品方法 | 省略できない | 省略できない | |
申込みの有効期限 | 省略できない | 省略できない | |
商品に傷や不備などがあった場合の責任 | 負う場合 | 省略できる | 省略できる |
負わない場合 | 省略できない | 省略できる | |
ソフトウェアの動作環境 | 省略できない | 省略できない | |
2回以上の継続取引の場合、その旨と販売条件 | 省略できない | 省略できない | |
商品の販売数量の制限や特別な販売条件 | 省略できない | 省略できない | |
お客さんの請求により有料のカタログ等を送付する場合の金額 | 省略できない | 省略できない | |
メールマガジン等を送付する場合、電子メールアドレス | 省略できない | 省略できない |
このような形で、「特定商取引法に基づく表記」の一部を省略することもできますが、やはりお客さんの立場に立って考えると、ネットショップに関するなるべく多くの情報が掲載されていた方が安心できる為、できるだけ省略せずにしっかりと記載しましょう。
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ネットショップに記載する「特定商取引法に基づく表記」のテンプレート
実際に運営しているネットショップの「特定商取引法に基づく表記」に基づいたテンプレートを作成いたしました。
コピペして使っていただいて問題ありませんので、ぜひネットショップをオープンする際にご利用ください。
※赤字になっている部分はご自身のネットショップの情報に差し替えてご利用ください。
画像などもコピペしてそのまま利用していただいて構いません。
【「特定商取引法に基づく表記」テンプレート】
店舗名 | たぶショップ | ||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
販売業者 | たぶショップ 田中祐輔 | ||||||||||||||||||||||
運営責任者 | 田中祐輔 | ||||||||||||||||||||||
住所 | 〒111-1111 東京都中央区中央1-1-1 たぶビル101 | ||||||||||||||||||||||
電話番号 | 03-1111-1111 | ||||||||||||||||||||||
メールアドレス | info@tab-log.com | ||||||||||||||||||||||
URL | https://tab-log.com | ||||||||||||||||||||||
取扱商品 | アパレル | ||||||||||||||||||||||
商品以外の必要代金 | 【消費税】 10% 【送料】 【コンビニ決済手数料】(コンビニ決済をご利用の場合) 【振込手数料】(銀行振込・郵便振替をご利用の場合) 【代金引換手数料】(代金引換をご利用の場合) | ||||||||||||||||||||||
注文方法 | 1.お好きな商品をお選び頂き、商品詳細画面にて数量を選択後、「カートに入れる」ボタンを押します。 2.カート画面へ移行後、まだお買い物を続ける場合は「お買い物をつづける」ボタンを、注文を確定する場合は「レジに進む」ボタンを押してください。 3.初めてのお買い物の場合は「新規会員登録」より新規会員登録を行ってください。 会員登録をせずに購入手続きをされる方は、「ゲスト購入」よりお客様情報の入力をお願いします。 すでに会員登録をされている場合はログインしてください。 4.配送方法・お支払い方法を選択後、注文内容をご確認頂き、お間違え等がなければ「注文する」ボタンを押してください。注文が完了いたします。 5.ご注文確認メールが届きますので、メール内容をご確認ください。 6.ご入金が確認でき次第、商品の発送・ご連絡いたします。 | ||||||||||||||||||||||
支払方法 | 【クレジットカード決済】 【コンビニ決済】 【銀行振込】 【郵便振替】 【代金引換】 | ||||||||||||||||||||||
配送方法 | 配送方法は下記の3種類がございます。 サイズによって使用できる配送方法が異なります。 10,800円(税込)以上、配送料無料です。 【ゆうパック/日本郵便】
《お届け時間帯指定》
※お届け時間帯を指定された場合でも、配達地域・配送状況により指定時間内に配達ができない事もございます。あらかじめご了承ください。 【レターパックプラス / 日本郵便】 【レターパックライト / 日本郵便】 | ||||||||||||||||||||||
支払期限 | ご注文後7日以内にお願い致します。 | ||||||||||||||||||||||
引渡し時期 | ご注文を受けてから7日以内に発送いたします。 コンビニ決済・銀行振込・郵便振替の場合は、ご入金を確認後の発送となります。(原則、ご注文日より7日以内にご入金をお願いいたします。) ご入金を確認後、7日以内に発送いたします。 | ||||||||||||||||||||||
返品・交換について | 【返品・交換について】 商品の返品・交換をご希望のお客様は、商品到着後7日以内に必ず当店までご連絡ください。 事前にご連絡がない場合は、返品・交換をお受けできませんのでご注意ください。 ご連絡いただきました後、返品・交換方法を改めてご連絡させていただきます。 【商品不良など、当店理由による返品・交換】 【お客様のご都合による返品・交換】 【返品・交換をお受けできない場合】 【返品期限】 【返品送料】 【返品に関するご連絡先】 |
このような形でネットショップに「特定商取引法に基づく表記」を記載します。
もし上記以外にも気になるところがあれば、お気軽にお問い合わせください。
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まとめ
今回、ネットショップをオープンする際に必要な「『特定商取引法に基づく表記』の書き方」について解説してきました。
最近では、「BASE」や「STORES」など無料で商品を販売できるネットショップも増えてきたため、個人でネットショップをオープンされる方も増えてきました。
個人でネットショップをオープンすると、なかなか事務所を別で用意する余裕もないため、自宅の住所や電話番号などをネットショップに記載しなければいけなくなり、ためらう方もいるかと思います。
しかし、お客さんからすると、運営している人の名前も住所も連絡先も分からないネットショップで商品を購入することは、かなり抵抗があり、ハードルが高いことだと思います。
なので、お客さんに安心して商品を購入してもらえるよう、できるだけ省略はせず、「特定商取引法」で定められた項目をなるべく多くネットショップに記載するようにしましょう。
特定商取引法に基づく表記やネットショップの準備に関して、気になることや分からないことがありましたら、お問い合わせまでお気軽にご連絡くださいね。
以上、ネットショップコンサルタントの「たぶ」でした。
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