こんにちは。ネットショップコンサルタントの「たぶ」(@yusuke_tanaka34)です。
今日も昨日に引き続き、ネットショップ運営システム「EC-CUBE」について書いていきます!
ネットショップの運営をしている会社さんから、よくこんな質問をいただきます。
そうですよね。確かにネットショップをまだ開いていない人や「ショッピングモール型ネットショップ」や「ASP型ネットショップ」を使っている方は分からないですよね。
僕は取引先の約半数が「EC-CUBE」を使ってネットショップを運営しているので、「EC-CUBE」の運営歴も6年を超えました。
実際に「EC-CUBE」を使ってみて、「EC-CUBE」のメリット・デメリットが分かったので、本日は「EC-CUBEとは何か?」について解説していこうと思います。
今回のテーマは「EC-CUBEとは?EC-CUBEの変遷から特徴まで」。
「EC-CUBEとは」というところから、「EC-CUBEの変遷」までお話していきますね。
スポンサーリンク
「EC-CUBE」とは
「EC-CUBE」とは株式会社ロックオンさんが作っている「ネットショップ運営システム」のことを言います。
「無料でダウンロードしてサーバーにインストールすれば、すぐにネットショップを開ける。」という素晴らしいサービスです。
「EC-CUBE」は会員登録すれば誰でも利用でき、好きにカスタマイズできる「オープンソース」として公開されています。
「オープンソース」とは無料でシステムを公開しているソフトウェアのこと。ブログ運営システムとして有名な「WordPress」もオープンソースです。
特に注目すべきは「日本発のECオープンソース」というところ。
日本で「オープンソース」の「ネットショップ運営システム」は「EC-CUBE」だけじゃないですかね。
ちなみに、世界では「Magento」という「オープンソース」の「ネットショップ運営システム」が有名。多言語ネットショップを作ることができるなど、世界ではシェアNo.1。あとは、「WordPress」にプラグインでネットショップ機能を追加できる「Welcart」も有名です。
「EC-CUBE」はプログラム自体をいじることも自由にできるので、カスタマイズをすれば予約システムや高度な会員サイトなど、他のネットショップ運営サービスではできないネットショップを作ることができるんです。
また、「EC-CUBE」のシステムを自由に複製・改変・頒布することができるという太っ腹さ。頒布する場合はソースコードを公開しないといけないのですが、有償の商用ライセンスを取得すれば、ソースコードを非公開にすることもできます。
「EC-CUBE」はもちろんネットショップを運営するのに必要な機能がすべて入っており、
- ショッピングカート機能
- 商品管理機能
- 受注管理機能
- 顧客管理機能
- 売上管理機能
など、すべての機能が「EC-CUBE」にはついています。
【EC-CUBE公式サイト】
EC-CUBE
「EC-CUBE」は「日本発」ということもあって、日本国内でのシェアはNo.1。
多くの人に使われている「ネットショップ運営システム」です。
スポンサーリンク
EC-CUBEの特徴
「EC-CUBE」のメリット
費用が安い
「EC-CUBE」の「ネットショップ運営システム」は無料で提供されているため、「ショッピングモール型ネットショップ」や「ASP型ネットショップ」のような初期費用や月額費用がかかりません。
月々に最低必要な金額は、
- ドメイン利用料(年額1000円程度)
- サーバー利用料(月額1000円程度)
- クレジットカード決済利用料(月額3000円程度)
くらいです。
「ショッピングモール型ネットショップ」は初期費用が30万円程度、月額費用が5万円程度かかります。
「ASP型ネットショップ」は初期費用が1万円程度、月額費用が1万円程度かかるので、圧倒的に安い費用でネットショップを開店・運用することができます。
簡単に始めることができる
「ショッピングモール型ネットショップ」や「ASP型ネットショップ」に比べると簡単ではないですが、比較的簡単にネットショップを始めることができます。
「WordPress」を使ったことがある人は、「『WordPress』より若干手間がかかる」と思っていただけると、イメージしやすいかもしれません。
ネットショップに必要な、ショッピングカート機能・商品管理機能・顧客管理機能・受注管理機能などがあらかじめついているので、サーバーにアップロードして必要な項目を設定すれば、すぐにネットショップをオープンすることができます。
もちろん「特定商取引法に基づく表記」や「決済・配送の注意事項」を記入するなど、最低限必要な手間はありますが、比較的簡単にネットショップを開店することができます。
ただ、「デザインをおしゃれにしたい。」などのこだわりがあると、カスタマイズしないといけないので、ある程度の時間・技術・お金が必要になってきます。
カスタマイズができる
「ショッピングモール型ネットショップ」や「ASP型ネットショップ」は、ほぼほぼカスタマイズができません。できるのは、デザインのカスタマイズくらい。
それに比べて、「EC-CUBE」は「できないことはないんじゃないか?」というくらい、自由にカスタマイズができます。
デザインテンプレートやプラグインでカスタマイズすることもできますし、制作会社に頼んで大規模なカスタマイズもできます。
ネットショップを続けていくと、「こんな機能も欲しい。」とか「あんなデザインにしたい。」など、やりたいことがどんどん出てきます。そういった時に、「ショッピングモール型ネットショップ」や「ASP型ネットショップ」では「諦める」という選択肢しかありませんが、「EC-CUBE」なら実現が可能です。
コミュニティが充実している
「EC-CUBE」にはサポートはないのですが、「EC-CUBE開発コミュニティ」というコミュニティがあるのはとっても便利。
登録者が27,979人(2018年7月現在)もいて、何か分からないことやカスタマイズで行き詰まったなどの問題があった時、ここで質問するととても親切なエンジニアの方達が、解決策を教えてくれます。
ここの開発コミュニティに何回助けていただいたか分かりません。(泣)
また、「EC-CUBE」は12年の歴史があるので、インターネット上にもいろいろな情報があり、だいたいの問題は解決できます。
日本製なので安心感がある
先述した「Magento」を含め、「オープンソース」の「ネットショップ運営システム」は海外製が主。
日本製の「オープンソース」の「ネットショップ運営システム」は「EC-CUBE」くらいじゃないでしょうか?
「EC-CUBE」は180万ダウンロードもされており、流通総額も1500億円と、多くの企業やお店が使っているシステムです。
「EC-CUBE」関連の制作会社も日本に多く、何かあった時に日本の制作会社を頼ることができるので、やはり安心感があります。
「EC-CUBE」のデメリット
外部に頼らない場合かなり知識が必要
「EC-CUBE」はサポートやマニュアルなどがありませんので(コミュニティや外部の制作会社はあります。)、バグや不具合が発生した場合、自分で解決しなくてはいけません。
また、ネットショップをカスタマイズする場合も、自分でやる必要があります。
なので、ある程度HTML・CSS・PHP・SQL(必要があればJavaScriptも。)の知識が必要です。
僕も「EC-CUBE」にバグや不具合が発生した場合、めちゃくちゃ焦ります。(汗)
ネットショップが壊れても自己責任
「EC-CUBE」はオープンソースであり、「GPLライセンス」というライセンスで管理されています。
「GPLライセンス」を簡単に説明すると、
- システムを配布したら、もらった人も自由に複製・改変・配布していいよ。
- 誰の著作物かをしっかりと明記してね。
- 特定の人や利用方法に限定しちゃだめ。
- すべて自己責任でお願いします。
ということです。
なので、たとえば「EC-CUBE」が壊れて保存してあった情報が全部飛んでも、誰も責任は取ってくれません。
個人情報が流出してお客さんに損害が出たなんて話になったら・・・ 考えただけでも恐ろしいですね・・・
制作会社などに管理を任せることもできますが、それなりの費用が発生しますので、お気をつけくださいね。
セキュリティに脆弱性がある
「EC-CUBE」は「セキュリティに問題がある。」との声もあります。
理由としては、「EC-CUBE」や「WordPress」などのオープンソースは、多くの人が簡単に利用できるためユーザー数が多いこと。そして、ソースコードがどうなっているか分かるため、ハッカーなどの悪い人に狙われる可能性が高いからです。
また、運営元がバグや不具合などを随時直してはくれていますが、やはり有償のネットショップ運営システムよりはサポートが充実してないため、「EC-CUBE」を最新の状態に保っておくことが難しいからです。
必ずしも利用者の全員が最新版の「EC-CUBE」にアップデートし、不具合やバグを逐一直しているわけではないため、そういう場所が狙われてしまいます。
有償のネットショップ運営システムはそういった不具合やバグを運営元が管理しているため、「EC-CUBE」に比べるとセキュリティが強固です。(もちろん大きな会社でも、サイバー攻撃を受けてしまうことはあります。)
次に「EC-CUBE」の変遷について見ていきたいと思います。
「EC-CUBE」の変遷
「EC-CUBE」が初めて公開されたのは、2006年のこと。
2006年9月1日に「EC-CUBE0.9」というβ版がリリースされ、バージョンアップを繰り返し、2015年7月1日に新しい「EC-CUBE3.0」がリリースされました。
「EC-CUBE3」もバージョンアップが進み、現在は「EC-CUBE3.0.16」(2018年7月現在)がリリースされています。
それでは、「EC-CUBE」の今までの変遷を順を追って見ていきましょう。
【EC-CUBEの変遷】
2006年9月1日 | EC-CUBEがオープンソースとしてリリース | 「EC-CUBE0.9」としてβバージョンが公開。 当時の文字エンコーディングは「EUC-JP」。 |
---|---|---|
2007年2月14日 | EC-CUBE1.0がリリース | CVSでバージョン管理が行われていた。 HTMLはテーブルレイアウト。 |
2007年12月4日 | EC-CUBE2.0がリリース | 文字エンコーディングが「UTF-8」に。 内部構造を大幅に変更。CSSレイアウトの採用。 |
2008年4月10日 | EC-CUBE2.1がリリース | 商品カテゴリをCSVでアップロードできるように。 共有SSLにも対応。 |
2008年10月1日 | EC-CUBE2.3がリリース | 決済モジュールが充実。 |
2009年5月19日 | EC-CUBE2.4がリリース | システムが安定し、利用者が大幅に増える。 |
2011年3月23日 | EC-CUBE2.11がリリース | スマホテンプレート・ダウンロード販売・複数配送先設定などの機能を採用。 処理速度が大幅に向上。EC-CUBE2.4からデータを移行できるモジュールがあった。 |
2012年5月31日 | EC-CUBE2.12がリリース | プラグイン機能を採用。EC-CUBE2.11からデータを移行できるモジュールがあった。 |
2013年9月19日 | EC-CUBE2.13がリリース | 2014年4月の消費税増税に対応し、税率管理機能を採用。 |
2015年7月1日 | EC-CUBE3がリリース | ソースコードが全面的に書き換え。 |
現在はPHP7に対応した「EC-CUBE2.17」と「EC-CUBE3」の次のバージョンが開発されているとの噂です。(2018年7月現在)
「EC-CUBE」は12年の歴史がある、多くの人に愛される日本発のECオープンソースなんですね。
スポンサーリンク
まとめ
今回は「EC-CUBEとは?EC-CUBEの変遷から特徴まで」というテーマでお送りしてきました。
「EC-CUBEとは?」という疑問は解決できましたでしょうか?
「EC-CUBE」についてまとめると、
- 「EC-CUBE」は日本発のオープンソース「ネットショップ運営システム」。
- 国内シェアNo.1。
- 「EC-CUBE」は2006年9月1日からスタートしている。
- 現在「EC-CUBE2.13」と「EC-CUBE3.0」が配布されている。
です。また、「EC-CUBE」のメリット・デメリットとしては、
メリット | デメリット |
---|---|
・費用が安い ・簡単に始めることができる ・カスタマイズができる ・コミュニティが充実している ・日本製なので安心感がある | ・かなり知識が必要 ・自己責任 ・セキュリティに脆弱性がある |
「EC-CUBE」について他にも気になることがありましたら、お問い合わせまでご連絡ください。
「EC-CUBE」は「これから初めてネットショップをオープンするんです。」という方にはおすすめできませんが、
- 何店舗かネットショップを運営したことがある
- 特殊な形態のネットショップをやりたい
- 売上がある程度あり、より大きいネットショップにしたい
- ある程度プログラミングの技術がある
という方におすすめです。
他のネットショップ運営システムとの違いは、以下の記事をご覧ください。
「EC-CUBE」に関して気になることがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。
以上、ネットショップコンサルタントの「たぶ」でした。
「EC-CUBE」に関しては、こちらの記事もおすすめです。